蓮馬カヨタケの活動記録

読書と自転車好きな理系哲人を目指す一般人(今は…)の活動記録

堂崎ライド 新入生歓迎と過去回想 2023年4月16日(日)

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距離:41.33km

時間:2:18:32

速度:17.9km/h

平均心拍数:126bpm

最大心拍数:174bpm

平均ケイデンス:73rpm

上昇量:448m

消費カロリー:1,023kcal

平均気温:22℃

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春、春である。ここ最近は気候も安定してきて、ジャージ一枚でも自転車で漕ぐと丁度いい季節になってきた。そしてそれとほぼ同時にやってくるのは春雨前線である。ここ長崎は「今日も雨だった」というフレーズの通り、ここしばらくの土日は雨ばかりでせっかくの実走にもなかなか行けずじまいであった。

   しかし本日は晴天也、そして日曜日である。となればここで実走に行かなければランドヌールにあらず、ということで走ってきた。また今回はタイトルにもある通り、新入生歓迎の体験ライドであった。

 

 時刻は8時。家から大学まではそれほど遠くはないが、なんとなく遠回りしたい気持ちになり、無駄に登らずとも良い坂を登り大学へ着いたのは8時半を少し回った頃のことであった。大学構内を周り、部室へと向かった。そこにはすでにちらほらと体験に来たであろう新入生たちと私が任命した新部長であるS田くんがロードバイクに関しての説明を行なっていた。それぞれが今日1日だけ乗ることになる自転車を部室から選び出し、それに跨ってサドルの調節を行なっていた。それを半ば呆然と眺めながら、熱心に説明を行うS田くんを自分に重ね合わせ少し物思いに耽っていた。

 自分の時はどうだったのだろうか、と

 私が入部した時はコロナ真っ盛りの時期であった。まともな活動というものはほとんどなく、かろうじてあることといえばサークル活動が解禁される短い期間中の週1での活動くらいなものであった。当時は自転車がブームになりはじめの頃であり、どこにいってもパーツ不足や工場閉鎖による品薄で値上がりが嘆かれている時期であった。今にして思えばとんでもない時期に始めたものだと思うが、当時は純粋に自分の足で遠いと感覚的に思っていた場所、無理だと思っていた山を登ることに楽しさそのものを見出していたのだろう。部活外での活動がほとんどであり、主だった活動がなかったのはもちろん情勢的な問題もあったのだろうが部長のやる気というものも関係していたのでは、と考えている。当の部長はほとんど土日以外の活動に声をかけることもなく、イベントにも参加していなかった。だからこそ私が部長になった時は部の活動方針を大きく変革しようと考えていた。

 そして自分が部長になった時、3年生は私一人しかいなかったので当然のように役が回って来て、そしてこれまた必然かのように熱心に活動する面子も私一人だけとなってしまった。一応2年生がチラホラとはいたものの全くもって当てにできないような者達ばかりであった。だからこそ引き継ぎを最低限に済ませた前部長は4年生になると必然のように顔を見せなくなり、いつしか私の小さな記憶領域から顔と声の記憶が薄らいでいった。そして4月、皆が期待に胸を膨らませ入学してきた頃私といえばただ一人孤独に部関連の雑務と淡々とこなしていた。そして今年(昨年のことです)入部してくれる学生には同じような思いをさせたくはない、と思い立ち、慣れないSNSを始めたり体験ライドの告知や日程の調整など必死に頑張った。

またそれと同時に自転車イベントへの積極的な参加、自転車整備の講習会や部活動以外でのライドの募集、そして部員だけでの旅行など今までにしたくともできなかったことを色々とやった。すると結果的にあまり人数としては多くはないが、少数精鋭でやる気が高いメンバーだけが残った。誠に嬉しい限りであった。部長としての役目を次の代へ渡す時、自分の苦労は無駄ではなかったのだとなんとなく悟った。そうやって大きな変革を遂げた我が部を継ぐのは大変なことだろうと思っているが、なかなかどうして素直に頑張ってくれている。しかし私の時と同じ轍は踏ませまいとこうやって足繁く部活動へと参加しているのであった。

 そうやって過去回想していると私たち2人以外の部員が続々と集合してきた。Wくんに、T尾、T松である。そしてもう1人新入生と思われる学生が自前のロードバイクに跨ってこちらにやってきた。話を聞くとどうやら佐賀県出身の子らしく、今後ロードバイクで帰省もできるしと懇願して親に購入してもらったらしい。乗ってきたのはBianchiのINFINITOであった。本人談によると「初心者用のロードバイクを」とお店にお願いしたらしいのでかなり妥当な選択であると言えるだろう。

   とはいえなかなかにいいセンスをしている。それは「逆チェレステ」だったからだ。基本的にBIanchiといえばチェレステカラー(イタリア語で「天空」という意味らしい)である。しかし残念なことに私はあの色は大して好みではない。理由はただ一つ、「皆同じだから」だ。基本的に有名なメーカーともなれば当然のように乗っている人口も比例して多くなるわけであって、それゆえに自転車が被る可能性が増える。そしてBianchiはワールドツアーで使われているOLTRE以外殆どが似たようなカラーリングになっている。だからこそ主張が難しく、近寄って見るまで車種の判別が難しいということがザラにある。しかし彼の自転車は車体の大半が黒で差し色としてチェレステが使用されている通称「逆チェレステ」。このカラーリングは僕好みである。そんな話を彼としているとS田くんから「出発の時刻です」との声がかかった。

   さて今回の参加者は8名。こちらのメンツは私を含め5名であった。なぜか後輩たちは2人一組で新入生を引く流れになっていたが、当の私はといえば1人で3人を引くことになっていた。走り出す前に「この人はガチで速い人だ」とか「登りと平地のスピードが変わらない」といった根も葉もない噂を新入生に流されていた。新入生に変な先入観を持たれてしまうかもしれん、と危惧していた。実際に新入生を引くのだから今回はそこまでの速度は出さないつもりでいるのだが、その後走っている最中に「本当に速いですね」と言われた。結局変な先入観を持たれていた。流していた当の後輩たちには残念ながらGW中に全力で私から引きちぎられて反省していただくほかないだろう。

 

   前置きが長くなってしまったが、ここからが本題である。目的地はタイトルにもあるとおり堂崎である。堂崎は我々の部にとっては何かと縁のある場所である。新入生の体験ライドで連れて行くのはもちろんのこと、我が部恒例となっている「大村湾一周」の起点でもある。このコースの最大の難関(とみんなが言うが私としてはよくわからない)は目的地前の最後の坂である。これまでに何人もの新入生を問答無用で休憩と登坂の地獄へと叩き落とし、荒い息をあげさせること間違いなしのコースである。この坂をほぼ休憩もなしに登坂する人間はもれなくこの部に入部すること間違いなしであり、その選定も兼ねたある意味縁の深いコースなのだ。

   堂崎へは大学からはそう遠くはないためにすぐに行けるのだが、それだとつまらない。ということで少しだけ遠回りをした。平地での巡航は20km/h前後。もう少しあげてもいいのだが、新入生がそれだと保たない。基本的に新入生は上級生にしがみつこうと躍起になっているため、「速度をあげてもいいか」と訊くと大抵の場合「行けます!」との返事が返ってくる。しかし彼らの体力はやる気に反して少ないものである。それに持ってきてまだまだロードバイクに乗りなれていない。彼らはこの往路で果てるつもりで必死にペダルを回すのである。これも毎年の光景とはいえなかなかに初々しいではあるまいか。

 

   さてそうこうしていると、堂崎の登り口までやってきた。ここまでの道中でなぜかS田くんが引くグループが一番先に出たはずの私を追い越して行った。おい、君は先ほど私を速いだのと法螺を吹いておきながら自分が真っ先に新入生を置いていこうとしているではないか。しかし今回は新入生もいるし、追いかけられるような雰囲気ではないため、私たちのグループといえば休憩もなしにいそいそと目的地までの最後の登坂を始めた。

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   天候は晴れてるため本日の大村湾は最高の眺めであった。寒くもなく、暑くもない。運動するには最高の気候であった。私の後ろの3人はというと口々に「絶景ですね」と言っていた。いつも休憩をするポイントとなっているブルーベリー農園の看板前でも立ち止まることなく、着々と目的地へと向かっていた。

看板を通り過ぎると一気に降る、そして目的地までの登り返し。そして目的地である堂崎へと到着した。

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   Wくんが引いているグループがまだきていないため、しばらく気持ちのいい潮風に身を委ねていた。5分後、彼らが到着し新入生が帰りたいとなるまでしばらく休憩することとなった。そして昼前になり部室へと戻る時間となった。私は行きと同じ3人を引いて安全運転で大学へと帰った。

 

   帰った後、いつものようにS田くんが体験ライドの参加への感謝と入部の誘いを行なっていた。すると今回体験にきてくれた子達の殆どが入部すると言ってきた。驚きである。既に持っているF田くんはともかくとして、持っていない人間がたくさん入ってきた。昨年までは私がサボったわけではないが、そこまで人数がいなかったため体験の期間を過ぎても自前のロードバイクを買うまで部のロードバイクに乗り続けることができた。しかし今年は(幽霊部員が何人出るかはわからないが)既に初体験ライドでこれだけの人数が入部してきた。恐らく今後の体験ライドでも似たように人数が増えていくのだろうと予想される。人数が増えることは嬉しく感じるとともに、これだけの人数に貸し出せるだけの自転車がうちには無いため皆幽霊になってやめなければいいなぁとの一抹の不安が残る体験ライドとなった。

 

   そしてそんな不安を残した私とS田くんはその話をしながら、T尾くんら3人と近くのラーメン屋へと向かった。そんな不安など知らないようなのほほんとした会話がラーメン屋への道中も繰り返されていた。先ほどまでの不安が反映されたのだろうか、お店の豚骨ラーメンのドロリとしたスープが妙に心地よく親近感を抱かせた。

 

 

 

 

 

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